こんな人におすすめ
- トスカーナの美しい田舎町の景色に憧れている
- 古い建物が生まれ変わっていく過程を見るのが好き
- 家族の絆も込みで楽しめるラブコメが好き
- ※ネタバレなしで、作品の魅力を紹介します
作品基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題 | La Dolce Villa |
| 配信開始 | 2025年2月13日 |
| 配信サービス | Netflix |
| 製作国 | アメリカ |
| 主演 | スコット・フォーリー、マイア・レフィッコ |
| ジャンル | ロマンティックコメディ |
| 上映時間 | 99分 |
タイトルは、1960年公開のイタリア映画の名作『甘い生活(La Dolce Vita)』へのオマージュです。
娘を止めに、イタリアへ
娘のオリヴィアが、わずか1ユーロで購入したトスカーナの廃墟同然の別荘。その修復に貯金を使い果たそうとする娘を止めるため、妻を亡くしたばかりの父エリックがイタリアへ向かいます。しかし現地でイタリアならではの魅力に触れるうち、エリック自身の人生観も少しずつ揺らいでいくロマンティックコメディです。
特に印象に残っているのは、父エリックが写真で見ていた美しい別荘のイメージを胸にトスカーナへ乗り込むも、実際は蔦が絡まり天井が抜けた廃墟然とした姿に絶句するシーンです。理想と現実のギャップをコミカルに見せつつ、その崩れた壁の隙間から差し込む夕日が思いのほか美しく撮られていて、廃墟にすら魅力を感じさせる映像処理が印象的でした。
トスカーナの実在の町でロケ撮影
この作品最大の魅力が、実際にイタリアで撮影された本物の景色です。物語の舞台となる架空の町「モンタザーラ」は、トスカーナ州にある実在の小さな町「サン・クイリコ・ドルチャ」と、隣接する「ピエンツァ」を組み合わせて撮影されています。
監督いわく、周辺のシエナやモンテプルチャーノは「整いすぎていて」イメージに合わず、あえて素朴で少し寂れた雰囲気を持つサン・クイリコ・ドルチャが選ばれたそうです。別荘そのものの外観は、ローマから車で約30分の「トリーノ・デイ・ジェルシ」という実在の邸宅(現在はイベント会場として貸し出されている)で撮影され、内装部分はローマの名門撮影所「チネチッタ」に組まれたセットで再現されています。冒頭の駅のシーンは、ローマ・トラステヴェレ駅で撮影されました。
廃墟から生まれ変わっていく、別荘の変化
見どころのもう一つが、廃墟同然だった別荘が少しずつ修復されていく過程です。ビフォーアフターを楽しみながら、父娘の関係性の変化も丁寧に描かれています。
日本からのアクセス
撮影地であるトスカーナへの直行便はなく、多くの場合はローマなどの主要都市を経由してのアクセスになります。ローマからトスカーナへは、鉄道や車でのアクセスが一般的です。
廃墟リノベと、父娘の再出発
同じ「海外の別荘リノベーション×ラブコメ」というテーマでは『恋の予感?! ~ホテルリノベ奮闘記~』も近い構成ですが、あちらが恋愛を軸にした一人称の物語なのに対し、本作は父と娘の関係修復が軸にある分、恋愛部分はあくまで添え物として控えめに描かれているのが違いです。また同じトスカーナが舞台の作品では『トスカーナ』(デンマーク発)もありますが、あちらが一流シェフの静かな人生の見つめ直しを描くのに対し、本作はもっと賑やかで、家族のドタバタが前面に出た明るいコメディなのが対照的です。
個人的には、頑固な実業家だった父が、娘の情熱に巻き込まれる形で少しずつ心を開いていく過程に、じんわりとした温かさを感じました。妻を亡くしたばかりの父と、夫を亡くしたばかりの町長という、互いに喪失を抱えた大人同士の恋の描き方に、特に胸を打たれました。
見進めていくと、実は娘が1ユーロで買った家のはずなのに、いつの間にか物語の主役は父の方に移っていることに気づきます。かつて料理人として腕を振るっていた父が、リノベーションした別荘で料理教室を開くために、自分自身の情熱を取り戻していく展開になっていて、娘のリノベ物語というより、父の第二の人生の物語として見た方がしっくりきます。若者向けのラブコメというより、大人のロマンティックな恋愛映画という印象が強く残りました。何歳になっても、人生をやり直すタイミングや、素敵な出会いはどこにあるか分からないものだと、あらためて感じさせられる作品です。
筆者評価
🌍 景色にうっとり度:★★★★★
(廃墟すら美しく撮るトスカーナの光)
💧 じんわり度:★★★★☆
(父娘の不器用な歩み寄りにほろっとくる)
💕 胸キュン度:★★★☆☆
(恋愛はあくまで控えめな添え物)
まとめ
『ラ・ドルチェ・ヴィッラ』は、トスカーナの実在の町で撮影された美しい景色と、廃墟が生まれ変わっていく過程を軽い気持ちで楽しめる一作です。父娘の再出発の物語としても、イタリア旅行気分を味わいたい夜としてもおすすめです。


コメント